ちこういん

母の思い、幽霊の子育て

幽霊子育て
 
ボランティアで子育て支援をしている女性から、こんな話を聞きました。
その日はシングルファーザーの子供を預かっていましたが、その男の子が同じ話を何度も読んでほしいとせがむのです。
それが「幽霊子育て」の話。一度読み聞かせて他の話を探していると、沢山載っている本の中から、また「幽霊子育て」を読んでとねだる。
幽霊の怖い話じゃないの?他の面白いのにしよう!と言っても、最後まで同じ「幽霊子育て」を指名。
その日お寺は水子供養の日、頼まれていた供養もあり、夜にお礼の電話をいただいた時、その女性から不思議だったとこの話を聞きました。
いつも以上に親子の愛情について考えさせられる日となりました。
この昔話とは京都であったこんな話。
 

亡くなった母の魂が、わが子のために飴を届け、大切な命を守りぬく

ある夜、店じまいした飴屋の雨戸をたたく音がするので主人が出てみると、青白い顔をして髪をボサボサに乱した若い女が「飴を下さい」と一文銭を差し出した。
主人は怪しんだが、女がいかにも悲しそうな小声で頼むので飴を売った。

 
翌晩、また女がやってきて「飴を下さい」と一文銭を差し出す。
主人はまた飴を売るが、女は「どこに住んでいるのか」という主人の問いには答えず消えた。

その翌晩も翌々晩も同じように女は飴を買いに来たが、とうとう7日目の晩に「もうお金がないので、これで飴を売ってほしい」と女物の羽織を差し出した。
主人は女を気の毒に思ったので、羽織と引き換えに飴を渡した。


翌日、女が置いていった羽織を店先に干しておくと、通りがかりのお大尽が店に入ってきて「この羽織は先日亡くなった自分の娘の棺桶に入れたものだが、どこで手に入れたのか」と聞くので、主人は女が飴を買いにきたいきさつを話した。


お大尽は大いに驚いて娘を葬った墓地へ行くと、新しい土饅頭の中から赤ん坊の泣き声が聞こえた。


掘り起こしてみると娘の亡骸が生まれたばかりの赤ん坊を抱いており、娘の手に持たせた三途の川渡し代の六文銭は無くなっていて、赤ん坊は主人が売った飴を食べていた。


お大尽は、「娘は墓の中で生まれた子を育てるために幽霊となったのだろう」と「この子はお前のかわりに必ず立派に育てる」と話しかけると、娘の亡骸は頷くように頭をがっくりと落とした。


赤子は八歳で僧となり母の菩提(ぼだい)を弔い、寛文六(一六六六)年三月十五日、高名な僧として六十八歳で亡くなった。

wikipedia「子育て幽霊」からあらすじを引用
 
母は強し
 
京都には数えきれないほどの神社仏閣があります。
その中でも母性愛の伝説のお寺が立本寺です。
 
日蓮宗立本寺
京都上京区のこの寺に伝わる話では、この物語の赤子は同寺二十世貫首、霊鷲院日審上人(一五九九-一六六六)とされています。
壺(つぼ)を図案化した花押を用いたことから、「壺日審」と親しまれ、弁舌に秀でておられ、生涯に二万回余りの説法を行い、数万の人々が御帰依されたといいます。また、学匠としても名高く、いくつもの著述を残し、今でいえば大学総長というのか、多くの僧を育てました。

 
幼い頃から親の愛情を知らずに育った少年は、八歳でお寺に入り、母のご供養を忘れず、厳しい修行の日々を通して、仏様の愛情に包まれながら、やがて自分自身の心を救います。
悩み、苦しみ、寂しさを知った上人の御説法は、どれほど多くの人の心に響いたことでしょう。
今では、同寺にまつられる上人の木像は安産守護の信仰を集めています。
 
立本寺にはこんな人のお墓もあります
島左近のお墓「妙法院殿島左近源友也大神祇」
石田三成に全幅の信頼を受け石田三成の恩に報いた戦国時代の武将、島左近。

「三成に過ぎたるものが二つあり。島の左近と佐和山の城。」と謳われた程の人物であり、「鬼左近」などと呼ばれていました。
立本寺に墓地があり、没年は寛永9(1632)年とされています。

灰屋紹益のお墓
京の豪商『灰屋紹益(はいやじょうえき)』のお墓もあります。

天下随一の太夫と謳われた二代目吉野太夫を身請けした文化人です。
 
子を思う母の愛
幽霊子育飴 

一粒、口に放り込む。徐々に溶け出すと、柔らかい甘みが口いっぱいに広がる。甘すぎず、ほのかに懐かしい味。
亡くなった母の魂が、わが子のために飴を届け、大切な命を守りぬいたという言い伝えを、「みなとや」では450年以上も伝え続けています。「みなとや幽霊子育飴本舗」より

 
安産飴、子育飴、出世飴としてパワーフードに。
 
幽霊の女性が赤ん坊を育てるためにうちの飴を買ったという伝説から、
妊娠中の方や、授乳中の方、また子どものおやつに購入される方も多いと。
また、大寺の高僧になったことから出世の縁起物にもなっています。
 
現代の経済社会に私たちはもう一度見つめ直すことができないでしょうか。母のあり方を。親子の絆を。
 
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