ちこういん

怒り

瞋恚(しんに)の心

瞋恚とは、今の言葉でいうと「怒りの心」のことを言います。
では怒りの心は、どんなときに出てくるか?


それは、自分の欲が妨げられた時、邪魔された時です。

自分の思った通りにならない時に、腹が立つのが瞋恚の心です。
 
自分の欲を邪魔した者や事柄に腹が立つわけですが、
この欲に「五欲」があります。

「食欲」「財欲」「色欲」「名誉欲」「睡眠欲」の5つです。

たとえば、楽しみに取っておいたデザートを家族の誰かに食べられたときに怒るのは、「食欲」が邪魔されたからです。
契約まであと一歩の商談を邪魔されたり「財欲」、好きな人を奪われて腹を立てたり、パートナーが思い通りに動いてくれないとイライラする「色欲」。
大勢の人の前で恥をかかされたり、プライドを妨げられる「名誉欲」、眠たい時に起こされると腹が立つのは、「睡眠欲」が邪魔されたからです。
 

私たちが生きていくということは、欲を満たそうとするか、それを邪魔されるかのどちらかなので、「欲」と「怒り」は交互にやってきます。

また、満たそうとしていた欲が大きなときほど、怒りの心も大きくなり、忘れられないものになります。
 
酷いことをされたのだから、怒るのは当たり前ですが、
しかし、この怒りは自他にとって害になります。
理性も教養も吹き飛ばしてしまうのです。
 
いったん怒り出すと冷静ではいられなくなり、先が見えなくなる。
冷静なときには絶対にやらないようなこともやってしまう。
暴言を浴びせたり、相手を殴ったり叩いたりというように、
世の中の事件の発端は、この怒りの心でもあるでしょう。
 
また、怒りの心が起きるのは自分よりも弱い相手でもあります。
自分よりも体が小さかったり、立場が下だったりする人に対して酷い言動を取らせるのです。
 
では、自分よりも強い相手、立場が上の相手の場合はどうか?
 
そんな時に出てくるのが、「愚痴」の心です。
 
愚痴は、上司や仕事、夫・妻や家庭などで不平不満の思いとして表れますが、仏教本来の意味は、嫉妬心や恨みの心をいいます。
 
また愚痴は、「他人の不幸を喜ぶ心」ともいわれます。
 
幸せそうな人を見ると苦々しい気持ちになりますが、反対に不幸な人を見ると、口では「お気の毒に」と言いながら、内心では…。
これも愚痴の心なのです。
 
今の時代はSNSが広まり、情報が溢れています。
充実感、幸せそうにしている情報が流れていますが、見る側に愚痴の心がある限り、人の幸せを見て喜ぶことはできないでしょう。
劣等感や嫉妬で苦しんでしまうこともあります。
 

さらに人の不幸を見たなら、心から同情し、相手を気遣わねばならない、とは思いつつも、内心はニヤリとしているかもしれません。

他人を妬んだり恨んだりしていては、幸せにはなれません。
他人の努力をたたえ、自分の怠慢を反省できるようになり、
愚痴の心をなくすことができれば、幸せな人生を送ることができるように思います。
 
それには、足るを知ること。
ありがとうの思い。
感謝の心が必要ですね。

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