ちこういん

お葬式が無くなる

人間五十年、化天のうちを比ぶれば、夢幻の如くなり
一度生を享け、滅せぬもののあるべきか
これを菩提の種と思ひ定めざらんは、口惜しかりき次第ぞ
「敦盛」



現代日本の死のかたち、供養の意義を考えます
 


無葬社会

【目次】
1章彷徨う遺体と遺骨
2章変わりゆく葬送

3章縁を紡ぐ人々
4章仏教存在の意義

 

今後20年以上に渡って150万人規模の死者数が続く「多死時代」

遺体や遺骨の「処理」を巡って、悩ましい問題が起きています
首都圏の火葬場は混み合い「火葬10日待ち」状態

増える献体、捨てられる遺骨
遺体ホテルが繁盛する時代

都会の集合住宅では孤独死体が続々と見つかる
スーパーのトイレに遺骨が捨てられる

地方都市の「イエ」や「ムラ」の解体と、次々と消える寺院や墓
地方寺院を食う形で、都市部の寺院が肥大化していく
都心のビルに一万基の遺骨
都心では数千の遺骨を納める巨大納骨堂の建設ラッシュ


現在、葬儀をせず、火葬場に直接行く直葬が増えています

そこで

お葬式とは、何の為にするのか
「お弔い」という言葉と、その意義を考えます
 

別れること(社会的)
社会的なつながりに別れを告げること

「告別式」は文字通り別れを告げる場です
かつては、遺族の会社関係者など多くの人が集まりました

故人のことを知らない弔問客に気を遣い、ゆっくりと悲しむこともできない遺族の立場を考えれば、故人を知る人だけで送る「家族葬」という選択が最近多くあります

葬ること(物理的)
「葬」という文字は、草むらの中に死体を置く様子を表わしています

大切な方のご遺体はいつまでも生前の形にとどまっているわけではありません

衛生面や死者の尊厳を守る為に、火葬・埋葬など遺体・遺骨の処理が必要になります葬儀→火葬→埋葬という過程が大切な人の死を受け入れる助けになることもあると思います

悼むこと(心理的)
大切な人の死は、深い悲しみと苦痛をもたらします

泣いたり嘆いたりするのは、痛みを感じている人の自然な反応です
葬儀の場は思いきり泣いてもかまわない公式の場でもあります
儀式を進めることが現実を受け入れる手助けになり、

集まった人たちから精神的な支えを得られることにもなるでしょう
また、故人の人生が弔問客の心に刻まれるような儀式は、故人の魂にも届きます

 
送ること(宗教的)

亡き人の魂を慰め、死後の世界に送ります
葬儀とは「葬送の儀」の略で、遺体を葬ると同時に魂を送るということに最大の意味があると思います
送られる先は、それぞれの信仰によって変わってくるわけですが、どのような宗教であっても、参列した人たちが故人を送ることができたと実感できる儀式が本物だと思います

弔うこと(総合的)
「弔う」という言葉には、遺された人を慰めるという意味と、死者の霊を慰めるという意味があります

人は他者とのかかわりの中で生きています
亡き方は、生前つながりがあった人たちに別れを告げ、誰かの手を煩わせることによって葬られ、悼まれ、送られます
別れる、葬る、悼む、送る、四つの内容を総合したものが「弔う」という言葉に込められているのではないかと思います
その一連の過程で亡き人の成仏を祈り、自身の成仏にもつながっていくような「弔い」が理想だと思うのです。

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