ちこういん

アメリカ大統領への手紙

靖国参拝
最近、靖国神社の初詣参拝客が増えているそうです。
今年も新藤総務大臣が靖国参拝、大臣は硫黄島で亡くなられた栗林中将のお孫さんだそうです。
 

以前、クリント・イーストウッド監督が、太平洋戦争最大の激戦だったといわれる硫黄島の戦いを日米双方の視点から描いて、アメリカ側から「父親たちの星条旗」と、一人の若き日本軍兵士の目を通して、日本軍を率いたアメリカ帰りの栗林忠道中将らの戦いを描きます。
 



主演の栗林中将に渡辺謙、その他二宮和也、伊原剛志、加瀬亮、中村獅童がそれぞれ日本軍兵士として出演しています。
硫黄島の日本の守備隊は、陸軍が栗林忠道中将率いる1万3,586名、海軍が市丸利之助中将率いる7,347名、合計2万933名、そこに米軍11万の大群が押し寄せた戦いでした。
 
ここで紹介したいのは、共に亡くなった市丸利之助(いちまるりのすけ)海軍中将です。
最後の戦いの昭和203月26日に、「ルーズベルトニ与フル書」を残し散華されました。
 
 
「ルーズベルトニ与フル書」 市丸利之助・海軍少将

日本海軍、市丸海軍少将、書を「フランクリン ルーズベルト」君にいたす。
私は今、私の(硫黄島での)戦いを終えるに当たり、一言あなたに告げたいことがある。

日本が「ペリー」提督の下田入港を機に国を開いて100年、この間日本の歩みは困難を極め、望むと望まざるとにかかわらず、日清戦争、日露戦争、第一次欧州大戦(第一次世界大戦)、満州事変、支那事変を経験し、不幸にして貴国と戦争を交えるに至った。
この事をして、今あなた方は、日本を好戦的な国民であるとし、黄色人種の災いであると罵り、軍部が専断する国家であると断じています。
私はこれを、全く的外れな批判であると言わざるを得ない。

あなたは真珠湾の奇襲攻撃をもって日本に対する開戦の大義名分としているが、日本が(アメリカによって)開戦をせざるを得ないところまで追い詰められ、そして自滅から逃れる為に日本が開戦を決断せざるを得なかった事は、おそらくあなたが一番良く知っていると思います。
恐れ多くも日本国天皇は、皇祖皇宗建国の大詔で明らかなように、養正(正義)、重暉(明智)、積慶(仁慈)を三綱とする、八紘一宇(※注釈:天下を一つの家のように考える思想)の文字で表現される国家運営の原則に基づき、地球上のあらゆる人類はその分に応じ、郷土において皆が仲良く暮らし、恒久的な世界平和の確立をただただ念願としている存在です。
かつて明治天皇は

「四方の海 皆はらからと思ふ世に など波風の立ちさわぐらむ」
(世界中の人々は皆家族であると思っているのに、なぜ波風が立ってしまうのであろうか)

と詠まれ、あなたの叔父に当たる「セオドア・ルーズベルト」元大統領も感嘆をした事は、あなたも良く知っていることでしょう。

私たち日本人には様々な階級があります。
そして様々な職業に就いていますが、国民は皆、それぞれの立場を通して、この国家運営の原則、すなわち天業を成し遂げる為に生きています。
私たち軍人もまた、この天業を成し遂げる事に貢献しようとしているに過ぎません。

私たちは今、圧倒的な物量による貴国空軍の爆撃を受け、艦砲射撃に晒され、外形的には圧倒的に不利ですが、精神的にはなお精強にあり、心地明るく現状を歓喜を持って受け止めています。
これは、天業を成し遂げる信念に燃えている日本臣民がみな等しく持っている心理ですが、あなたも、(英国首相の)チャーチル君にも、理解が出来ないことでしょう。
私はあなた方の精神的な貧しさを哀れに思い、以下、一言を差し上げたいと思っているのです。

あなた方の所業を見ていると、白人、特に「アングロ・サクソン」が世界の利益を独り占めし、有色人種は白人の奴隷としか考えていないことが良くわかります。
その為に、奸策を用い有色人種を騙し、「悪意の善政」を敷いて、有色人種が自ら生き、考える力を奪ってきました。
近世になり、日本があなた方の野望に抵抗し、有色人種、特に東洋人民をあなた方の圧政から解放しようと試みたところ、あなた方は日本の真意を理解しようとすることもなく、ただ日本を有害な存在であるとして、かつての友邦を野蛮人であると断じ、公然と日本人種を絶滅せよと叫ぶに至りました。
これは本当に、あなた方の信じる神様の意志に沿うものなのでしょうか。

大東亜戦争により、いわゆる大東亜共栄圏が形成されたら、各民族は善政を謳歌し、全世界にわたる恒久的な平和が来る日もそう遠くなかったでしょう。
あなた方白人は、もう十分に繁栄をし、豊かであるにもかかわらず、ここ数百年間あなた方の搾取に苦しんできた有色人種がやっと見えた希望の光を、なぜまた摘もうとするのでしょうか。

ただ、東洋のものを東洋人に返すというだけではないのですか。
あなた方はなぜ、そんなにも貪欲で狭量なのですか。
大東亜共栄圏の存在は、あなた方の存在にとって一切の脅威になりません。
むしろ、世界平和の一翼になり、世界人類の安寧と幸福を保障するもので、これが日本国天皇の真意であると言うことを理解する雅量をもつことを、心から望むものです。

翻り、欧州の事情を鑑みるに、やはり相互の無理解により起こる戦争が如何に悲惨なものかを痛嘆せざるを得ません。
今、「ヒットラー」総統の事を述べるのは慎みますが、彼が第二次世界大戦の開戦をなぜ引き起こしたのかを考えれば、第一次世界大戦の開戦の責任をドイツ一国に押し付け、その正当なる国家の存在を、あなた方の先輩が極度に圧迫したことによるのは明らかです。

また、あなた方の戦いでヒットラーを倒したとして、どのようにして「スターリン」を首領とする「ソビエト」と協調できるのでしょうか。
およそ、強者であれば世界を欲しいままに出来ると考えているなら、人類は永久に戦争をし続けるでしょう。
あなた方は今、世界制覇の野望が一応は達成されようとしています。
得意に思っているでしょう。
しかし、あなたの先輩「ウイルソン」大統領は、その得意の絶頂において失脚をしました。
願わくば、私の言外の意をしっかりと汲んでいただき、その轍を踏まれない事を望みます。

市丸海軍少将




(「米国大統領への手紙」平川祐弘 新潮社より)

 
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