ちこういん

心の善悪

浄土と云ひ、穢土と云ふも、土に二の隔なし。
只、我等が心の善悪によると見えたり。
                         日蓮聖人
浄土
 
昔は、横丁の長屋が住宅難を解決すると同時に、
共同体の役割を担っていました。
そこに住む人びとは貧乏でしたが、
温かい人情と助けあいの社会性を忘れていませんでした。
 
 
現代は、高層マンションが立ち並び、
利便性の高い生活が送れるようになりました。
マンションの住民は、
相応の経済力を持ち、相当程度の教育も受けています。
 
 
しかし、長屋にあった人情と社会性は稀薄となっているかもしれません。
両隣の親交すらないことも珍しくないようです。
 
 
道を行けば、すれ違う人びとが挨拶を交わし合う。
見知らぬ人から声を掛けられることも、
今は不審者がいると通報されるかもしれません。
 
 
この世は人間によって造られています。
人間の気持ち次第で、
住みよい社会にもなれば、住みにくい世界にもなります。
 
 
大袈裟である必要はありません。
ちょっとした親切、小さな思い遣りを、
お互いに持ちあえば、世の中は変わります。
 
 
そうした美しい気持ちを養うのは、
難しい哲学や喧しい倫理ではありません。
 
人は元来、自然のままに、自尊心と愛情を持っています。
自尊心は、自分の品位を保つために働き、
愛情は他人と交流するために働くようになっています。
この自然の心を美しく開花させさえすれば良いのです。
 
日蓮聖人が、
「我等が心の善悪による」
と教えているのは、心掛けの善し悪しのことです。
 
産業は発達し、消費経済が豊かになると、
人は次第に贅沢を好み、金銭ばかりを欲しがり、
人情が軽薄になり、競争が激化します。
 
これを悪循環にするのではなく、
文化の恩恵だけを受け取れるようにするには、
どうしたら良いのか。
 
お寺は、仏さまの教えを知ってもらうため、今年も励みます。
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