ちこういん

荷物

10月26日 おはようございます。
 
ご訪問有難うございます。
 
ある女性との、なにげない話。
 
両手にはたくさんの引き出物、
もうこれ以上歩くこともできないほどに疲れ果てていた。
まだ、宅配が少ない時代。
 


結婚式に参加し、沢山の引き出物は有難いが、
こうなっては、重いお荷物に過ぎない。
 
家から迎えに来てくれるはずだったが、
電車を降りたところで、もうこれ以上歩く気力は失せている。
 
その時、
 
 「重たそうですね。ひとつ持ちましょうか」
 
声を掛けてくれた中年の女性。
 
 「いや、大丈夫です」
 
心にもない返事をしてしまうが、
 
 「私これを持って、あなたの後について行くから」
 
と言って、奪い取るように重い荷物を持ってくれました。
 
 
あの時は、
『正直ホッとしたばかりか、とても嬉しかった』と。
『自分もこんな風にして困っている人がいれば、絶対助けてあげたい』
と思ったそうです。
 
でも近頃は、
「重たそうですね、ひとつ持ちましょうか」なんて言葉がかけにくい。
 
 「まだこれぐらいは大丈夫です、健康のためです」
と言うお年寄りや、
 
 「なーに?」と言うような顔をしていってしまう人。
 
 荷物ねらいの泥棒だと思っているのかもしれない。
 
人間不信というか、助けてもらいたくても、
素直に人を信じられない世の中になっています。
報道、ニュースからは、悪い人の情報ばかり。
知らず知らずのうちに、ネガティブになっていきます。
 
困ったことに対して、
人に助けてもらえないで、
一人で抱えてしまう。
 
一人で抱えきれなくなったとき、
身体的にも、精神的にもどうしようもなくなり、
病気になってしまう。
 
人間は、互いに助け合いかばい合ってこそ、
人間らしく生きていくことができる。
 
人の心を見失うことなく、心暖かな人になろう。
 
心を取り戻す場所、そんなお寺にしたいです。
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