ちこういん

目先のこと

 811日おはようございます。
 
ご訪問、有難うございます!
 
朝の一言
仏教説話から
 
サルと一粒の豆
 
昔、ブラフマダッタ王がバーラーナシーの都で国を治めていたときのこと。
国境の部族が反乱を起こし、王の国に攻めて来るという知らせが届きました。
 
季節は雨期で、長い雨が降り続き、川はあふれ、
家も作物も水に押し流されるという悪天候でした。
王は降りしきる雨の中を出陣し、ある園に陣営を張りました。
 
王の信頼する一人の賢い大臣が王とともに行動することになりました。
 
王の率いる兵隊はたくさんの大豆を蒸し、
軍馬に与えるためにおけの中へ投げ入れました。
 




そのとき、園にいた一匹の飢えたサルが、
すかさずおけの中の大豆をつかみ、
その手いっぱいに豆を握りしめたまま、
他に取られぬよう急いで木を登っていきました。
 
サルは枝に腰を下ろして、一粒一粒豆を食べ始めました。
 
少しすると、サルの手から一粒の豆がぽろっと地面に落ちてしまいました。
 
サルはその豆を拾おうと、慌てて木から降りました。
 
その拍子に、口の中にあった豆と、
両手につかんでいた豆全部をばらばらっと皆落としてしまいました。
 
サルは地面に降りて、さっき指の間から落ちた一粒の豆と、
後から落としたすべての豆を、あちこち飛び回って探しました。
 
しかし、落とした豆は雨水に流されてしまい、
いくら捜してももはや見つかりませんでした。
 
サルは再び木に登り、千万の大金をふいにしたように悔しがり、
口をひん曲げて元の枝に座りました。
 
木に座るサルを見かけた王は大臣に話しかけました。
 
「サルが苦々しげな顔をして下を見ているが、どうしたのかね」
 
すると大臣は答えました。
 
「王さま、あのサルは少しばかりの物を取り返そうとして、
たくさんの物を捨てた、智恵のないものです。
一粒の豆を惜しんだために、
手に持っていたたくさんの豆をみんななくしてしまったのです」
 
「そうか」
 
「王さま、この大雨の中で大軍を進めていくのは、
このサルのようなことになるかもしれません」
 
「うむ、このサルのように、なにもかもなくしてしまうのか。
そうだ、国境の少数部族の反乱などに、
雨の中、兵を引き連れて進軍するほどのこともなかったな」
 
そう気がついた王は、バーラーナシーへ軍隊を引き連れて帰ることにしました。
 
 反乱を企てた部族は、
『王の軍隊は賊を滅ぼそうと都から出発した』
という噂を耳にしただけで、国境から逃げ去ってしまいました。
 
以上の話。
私たちも、猿みたいになってはいないでしょうか?
 
目先のことに、心奪われないように。
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