ちこういん

お掃除のちから

530日 おはようございます。
 
朝の一言
鈍根第一の須梨般特は智慧もなく悟りもなし、
ただ一念の信ありて普明如来となり給う
日蓮聖人
 
 
周利槃特(しゅりはんどく)というお弟子さんがおられました。
とても物覚えが悪く、自分の名前まで忘れてしまうので、名札の「名荷」を首にかけていましたが、それさえも忘れてしまう程です。


そんな槃特(はんどく)は、精舎を出る決心をして、お釈迦様の所へ行きました。


「お釈迦様。私は、愚か者で、みんなの修行の邪魔になるので出て行きます。」


お釈迦様は、


「自分が愚かだと気づいている人は、愚かではない。
自分は、賢いと思い上がっている人が愚かなのだよ。
須梨槃特よ、私はお前の愚直さを知っている。
それはお前の宝にしなさい。
お前には特別な修行を与えてあげよう。
これで毎日、私の弟子たちが集う精舎の掃除をしなさい」

と諭して、槃特の掃除好きを見越して、一本の箒を渡し、

「塵を払わん 垢を除かん」(ちりをはらわん あかをのぞかん)

という言葉を教え、掃除の時に唱えるよう励ましました。
 
槃特は、こんな短い言葉でも忘れそうになりながら、
何年も何年も箒を持って

「ちりを払わん あかを除かん」

と唱えながら掃除をしました。

お釈迦さまから頂いた箒とちり取りを、
宝のように大事に使いながら毎日欠かさず精舎の掃除を続けました。

そして言われた言葉を一心に唱え続けたのです。

誰よりも早く来て、何かブツブツ言いながら掃除をしている須梨槃特の姿を、弟子たちは見かけると、奇妙に思って、中にはバカにして声をかける弟子もいました。

「よう、須梨槃特よ。せいぜいお前もお前なりにしっかり修行すればそれなりになんとかなるだろうよ」と・・・。

それでも須梨槃特は激励されたと思って嬉しくて

「ありがとう!」とお礼を言って、
他の弟子たちが気持ち良く修行出来るようにせっせと掃除に励みました。
 
須梨槃特には人をバカにする心がなかったので、

自分が人にバカにされてることを知ることもなかったのです。

ある少し風の強い日にふと須梨槃特はこう思いました。

 
「 昨日も庭をキッチリ綺麗に掃除したのに、また汚れている。

昨日あんなに綺麗に掃除したことが無駄だったのかな?
いや違う、昨日は昨日で汚れていたのだから掃除は必要だった。

それに私はお釈迦さまに毎日掃除をしなさいと言われているのだから、

そんなことで文句を言っちゃいけない」・・・

そしてこういう思いに行き着くのです。

「お釈迦さまにそう言われてるはずなのに、

私は怠けることを一瞬でも思ってしまった。
とんでもないことだ!

そうか! 真に払い除くべきものは、
実は自分の心の中の塵であり垢なのだ!

一瞬でも修行を怠ると、心というものはどんどん汚くなる。
一生涯私はここの掃除と共に私の心の掃除を続けよう!

愚かな私にだってそれなら出来るじゃないか!
本当に有難いことだ、有難いことだ」と・・・。
 
一つの事に打ち込んでいる槃特に、

周りの弟子達も一目を置き、尊敬するようになりました。

ついに槃特は、

「ちりやあかとは、執着の心なのだ。」
「汚れが落ちにくいのは、人の心も同じだ。」


と気づき、悟りを得たのです。
 
 

            天才バカボン 作・赤塚不二夫
須梨槃特さん。
レレレのおじさんのモデルです。
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