ちこういん

お釈迦さまの降魔

降魔 (ごうま)                              
仏伝によれば、お釈迦さまが菩提樹下で成道する前に悪魔がさまざまな妨害をします。悪魔は仏教用語でマーラ(漢訳は魔羅)。
 
悪魔・魔王・魔羅・摩羅・末羅ともいい、仏道を妨げる悪神の総称。六欲天の第六天、他化自在天の主。仏や仏道修行者を妨げ、人の心を惑わすもの。
今も一般で使われている「まら」男の大事なところは、お坊さんの隠語だったんですね。
 
私的には、女性の方が悪魔というか、土地でも財産でも何でものみこむブラックホール、底なし沼を持っていると思うのですが、言いすぎですね。失礼いたしました。
 
魔王(マーラ)は人間世界の欲界(欲望の世界)の支配者――ということに仏教ではなっています。悟りを求める者が欲望を断ち切って仏陀になれば、欲界の一人が消えることになります。その流出を防ぐために魔王はいろいろと邪魔をするのです。


瞑想修行中のお釈迦さまへの邪魔が始まります。




最初は三人の妖艶な女性を送ってお釈迦さまの魂を抜き、虜にしてしまおうという作戦でした。

魔王の三人の娘の名は、タンハー(渇愛:かつあい)、ラーガ(快楽:けらく)、アラティ(嫌悪:けんお)といいました。

三人の娘は、あらゆる妖しい魅力を持った絶世の美女でした。どんな男も彼女たちの前では、惑わされ、誘惑されてしまうほど。

私だったら、簡単に虜になる自信がございます。それはさておき。

 
お釈迦さまに近づいた彼女たちは、妖しく微笑みかけながら、秘術を尽くして誘惑しようとしました。そのようすは、いかなる男も一瞬のうちに魂を抜かれてしまうほどでしたが、いくら誘惑しようとしても、まったく動じませんでした。そして、静かに、でも力強く言いました。


「いかに、美しく飾ろうとも、私は惑わされることはない。おまえたちの正体はまるで汚い雑草のようだ。」 

その言葉とともに、激しい風が吹いてきたかとおもうと、三人の娘は吹き飛ばされてどこかにいなくなってしまいました。

 

三人の娘たちが退けられるのを見た魔王は今度は、悪魔の大群を向かわせました。

大地を覆い尽くすかのような大軍団が、お釈迦さまを取り囲み恐ろしい攻撃を加えました。
 

しかし火のついた矢を放っても、お釈迦さまの体が燃えることはありません。

また、鋭い剣や槍でついても体には傷ひとつ、つけることはできませんでした。悪魔たちのどんな攻撃を受けてもお釈迦さまは、まったく平気で悠然と座っていました。

真理の目を開こうとしているお釈迦さまにとっては、悪魔の力はもはや幻に過ぎなかったのです。
 

自分の娘たちも、悪魔の大軍団も敗れ去った魔王は、ついに自分でお釈迦さまと対決することにしました。

魔王は恐ろしい形相で、お釈迦さまの前に立ちふさがり、幻術、妖術の限りを尽くして苦しめようとしました。

岩の雨や、剣の雨などを降らしたり、見たこともないような醜い化け物を出して襲わせたりしましたがお釈迦さまにはまったく通用しません。 
 

とうとう魔王は、最後の力を振り絞って、この世のすべてを覆い尽くすような暗闇でお釈迦さまを包み込んでしまいました。

「われは戒と定と智慧とによって、菩薩の道を修め、この上なき清浄に至った。悪魔よ、汝は敗れたり」

これを聞いた魔王は「汝は一切を知りたもう」と叫んで消え去った、と仏伝は伝えています。
 
このとき、お釈迦さまは左手で衣をつかみ、右手を垂れて地を指す姿をして、悪魔を降伏させたというのです。降魔の印といわれる印相です。
 

【降魔】(ごうま) 悪魔を降伏すること。
【降魔の印】(ごうまのいん) 悪魔降伏の印。右手を膝の上に垂れ、左手で衣をつかむもの。 
 
この「降魔」の話は、煩悩や邪念を振り払う修行の過程をたとえ話で描いたものです。
 
苦行を捨てたお釈迦さまは中道の瞑想を選択したのです。
現在は政治用語として使われている中道はもともと「快楽主義でもなく苦行主義でもない瞑想による修行」という意味の仏教用語です。  
 
菩提樹の下で瞑想をはじめてから七日目。お釈迦さはついに悟りを開きます。
十二月八日のことです。
 
満月のその夜、
まず天眼通を得ます。
(人の生と死の繰り返しを見ることができる能力)
さらに夜更けには宿命智を得て、
(自分や衆生の過去世の生涯を知る智慧)
明け方には因縁の理法を得、
(すべての事象には原因があり、結果があるという理法)
太陽が昇るころには四諦・八正道を明察して、覚りを開いた。
(生老病死はどうすればなくせるか。それを滅する八つの実践法)
と、仏伝は記しています。
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